【料理人必見!!】「分子調理の日本食」読んでみた 【近未来のレシピ本】

調理専門書

どうも、秋田と申します。

調理師専門学校を出て、8年ほどキッチンやウェイターとして飲食の現場で働いております。

今まで何冊も専門書を読んできましたがやはり当たりはずれはあるものです。しかし、専門書って高いんですよね…。ですので僕が実際読んでみてためになった、面白かった、というような本を皆さんにご紹介できればと思いこのような記事を書いております。

さっそくですがみなさん、分子調理の日本食という本はご存じでしょうか。

こちらの本なのですが、表紙だけでも見たことありませんかね

ちなみに、僕は表紙とタイトルで即購入しました。

「きれいだけど、なんだこれ?これホントに料理なの?」この疑問がこの本を読むと一気に解決されます。作り方、つまりレシピが掲載されているのです。

表紙には箸につままれたツルツルプルプルの物体が写っていますよね。

この物体の正体はなんとお吸い物なんです

箸でつまめる お吸い物 これがこの本「分子調理の日本食」の表紙になっているのです。

ゲル化」「泡化」「乳化」… 調理師なら聞き馴染みがあるとまでいかなくても、聞いたことぐらいはあると思います。「パスタソースは乳化させなさい!」とか「こちらはエスプーマで泡化させたソースです」とかね。

今知っている化学反応をいろんな面白い角度から攻めていったものや

「あれ?知ってる乳化じゃない…」「いや、これもう実験やん」っていう調理

「こんなことまでできるんだ」という全く見たこともない化学反応をつかった一品を紹介してくれる

そんな本なんです。

著者は 石川 伸一 さん、 石川 繭子 さん、 桑原 明 さん です。

では内容をかいつまんで紹介していきますが、本の中のページや写真はさすがにここでは載せることができません。きっとこのページを読むとこちらの本「分子調理の日本食」が読みたくなると思いますよ!!

誰も見たことがない、空想上の料理ばっかりのレシピ本なのですから。

まえがき

この本は仮想の料理本です。載っているのはファンタジーの料理ばかりです。

O’Reilly Japan – 分子調理の日本食 (oreilly.co.jp)分子調理の日本食 | Ohmsha

冒頭一発目、このように書かれています。そして続けて、

どこかの世界にこんな家庭料理があるかもと思いながら作りましたが、近い未来本当にこんな料理が一般家庭で作られているかもしれませんよ。

と書いてあるんです。そう、全部実際に作ることができ、且つレシピまで載っているのがこの料理本です。つまり「近未来のレシピ本になりえる本」ということですね。

「そもそも、分子料理って知ってる?」著者は言うわけですね

分子料理=分子調理学×分子調理法 なんだぞ、と

そして、この本は日本食という身近な料理を分子料理にすることでより分子料理の能力を見えやすくしたものです!!それが「分子調理の日本食」という本なのです。

目次を見てみると6つの化学反応によるレシピ+実験器具を利用したレシピが載っているようです。

今回はいくつかをご紹介いたしますが、どのレシピをとっても面白い!!ぜひ実際に読んでみてほしい1冊です。

~ゲル化~ recipe1.recipe2.recipe3.

ゲル化とは何だろうか

ゲル化とはゼリーとか寒天とかそういうやつのことですね。ゲル化させるゲル化剤によって特性や条件が違うようです。(熱に強いゲル化剤や無色透明のゲル化剤など)こちらの「分子調理の日本食」では表にして分かりやすく記載してありましたので是非確認してみてください。

recipe1.スノードームふろふき大根

recipe2.耐熱ゼリー天ぷら

recipe3.カレーライス麵

O’Reilly Japan – 分子調理の日本食 (oreilly.co.jp)分子調理の日本食 | Ohmsha

全部意味わかんないですよね(笑)写真見たらもうびっくりしますよ!僕のおすすめはスノードームふろふき大根です。もうスノードームそのもの!球体で透明で中に雪のようなふろふき大根が閉じこまれているのです。めっちゃきれい!

そして、この本の特徴として、「どうしてゲル化剤を使用するとみずみずしく保水するの?」「なぜてんぷらのような高温の油に突っ込んでもゲル部分は溶け出さないの?」というような疑問を科学的な解説を1レシピごとにつけていてこの解説がまた面白いんです。理科の授業を思い出します(笑)

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~熱ゲル化~recipe4.recipe5.recipe6.

熱ゲル化 ゲル化と違うものなの?僕はそう思いました。ゲル化で括ればいいのに、と

でも違ったんです。ゲル化と全く逆の性質を持つのがこの熱ゲル化なんですって

recipe4.温めると固まり、冷やすと溶けるけんちん汁

recipe5.変わりすぎ助六寿司

recipe6.逆ロールキャベツ

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レシピ名を見ても分かるように温めると固まり、冷やすと溶けるのが熱ゲル化

さらにこちらのゲル化剤を使うと食材がシート状になるんです! recipe5.変わりすぎ助六寿司ではガリが折鶴になってます(笑)ぜひ見てみてほしい!!

~球体化~recipe7.recipe8.recipe9.

球体化が一番分子ガストロノミーで目にするかもしれませんね。

いわゆる人口キャビア、人口イクラを作る方法がこの球体化と呼ばれるもののようです。

そしてなんと!!表紙!!あの表紙になっている箸につままれてるアレ!あれもこの球体化を使った「ファンタジー料理」のひとつ、ということなのです。

初めにも書きましたが下記のレシピ名ご覧ください、そう!!お吸い物を球体にしたのが表紙のあの写真だったんです

recipe7.水炊きに添える フレーバキャビア

recipe8.お吸い物球体

recipe9.色が変わる卵かけごはん

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じゃあどうやって球体にしたの?というと、そこもしっかり解説がついております。

是非、「分子調理の日本食」読んでみてください!解説を読んでも不思議でしょうがないのがこの球体化の魅力だと僕は思います。

さらにrecipe9.色が変わる卵かけごはんは球体化ではない化学反応を利用して徐々に黄色い黄身を赤い黄身に変化させるというものです。

なぜイクラのような薄い膜を張り、中に液体を閉じ込めるのか。どんな化学反応で黄身の色が変わるのか、そんな解説もしっかり載っていますよ!

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~泡化、炭酸化~recipe10.recipe11.recipe12.

エスプーマを使用した分子調理です。

食材の中に様々な気体を入れることで固体、液体ついには気体まで食の世界に取り込みました。

入れる期待によって食材の変化も変わってくるみたいです。

recipe11ではイクラが二酸化炭素を含んだスパークリングイクラに変身!!

recipe12ではふわっふわなあんこのあんみつが実現!!

recipe10.蕎麦プーマ

recipe11.スパークリング手巻き寿司

recipe12.エアあんみつ

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僕、エスプーマを使用したことがないので、エスプーマに直接イクラを入れたり白米を入れたりと驚きの多い調理過程でした。皆さんも写真付きで調理過程が載っていますので読んでみてください!!

それに、二酸化炭素には味があるということも僕は初めて知りました。


~掛橋化~recipe13.recipe14.recipe15.

聞いたことがない言葉、掛橋化

どういう意味なのか、これはとある酵素を使うと分子と分子が結合することによって食材と食材をつなぎ合わせることができるという意味なんだそうです。

これはわかりやすい化学反応ですし、沢山アイデアが出てきますよね。

recipe13.ハイブリッド刺身

recipe14.イナゴハンバーグ

recipe15.かつお節酒器

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中でもわかりやすいのがrecipe13.ハイブリッド刺身。ばらばらの3種の刺身がつながって1つの切り身となっている。3色魚、みたいになってます。いろんな魚で試してみたくなりますね。

recipe15.かつお節酒器のように好きな形に成形することだって可能なようです。

この掛橋化に欠かせない酵素。是非「分子調理の日本食」でご確認ください!!

~乳化~recipe16.recipe17.recipe18.

乳化は調理師の方なら何度も聞いたことがある言葉だと思います。

水と油のような本来混ざりにくい物を均一に混ぜ合わせることマヨネーズとかがいい例ですよね。

ただ、超音波で乳化させたり、乳化剤で乳化させた後に低温調理したりと

この乳化のパートは特にむずかしい…

recipe16.飲むポテトサラダ

recipe17.さばのエマルション煮三種

recipe18.超音波乳化ラーメン

O’Reilly Japan – 分子調理の日本食 (oreilly.co.jp)分子調理の日本食 | Ohmsha

~実験器具利用化~recipe19.recipe20.recipe21.

ついにきました。

実験器具の利用。もうほんと実験してるみたいな調理工程です(笑)

スポイトとか、遠心分離機とか使って料理をします。

recipe19.超冷やし中華

recipe20.まさに“いちご大福”

recipe21.おでんですよ!肉じゃがですよ!すき焼きですよ!

O’Reilly Japan – 分子調理の日本食 (oreilly.co.jp)分子調理の日本食 | Ohmsha

recipe19.-196℃と聞くと何を思い浮かべますか?そう、液体窒素ですよね(笑)

こちらを冷やし中華のタレ等に使ったのが超冷やし中華です。麵や他食材の上に普通なら液体のタレがかかるのが冷やし中華ですが、瞬間冷凍された粒上のごま油、そぼろ状のタレがずっと冷やしラーメンを冷やし続けてくれるんですって。

想像つかないですよね(笑)この本はもう是非読んでみてください、写真を見ても「え?これってどうなってんだ?」ってなります(笑)

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最後に

いかがだったでしょうか、分子調理の日本食

おもしろいですよねぇ、最初に書いた通り空想上の料理、ファンタジー料理がこのように実現されている昨今。分子ガストロノミーのレストランなども少しずつ増えてきています。

家庭用調理機の進化もめまぐるしく、自分の家で低温調理ができるようにもなりました。

数年後の夏に冷やし中華を作る時、あなたは液体窒素を使っているかもしれませんよ?

今後も調理関係の専門書を紹介できれば面白いなと思っています。

またお会いできればよろしくお願いいたします。

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